バーコードの基礎知識

バーコードの読取について

バーコードリーダの基本読取原理

外部装置から電源を供給しているとき、トリガスイッチなどによって読取開始指令を出すと、制御部は、照明光源を発光する。照明光は、スポット光をスキャンする場合と、シンボル面全体を照明するタイプがある。リーダは、どちらの場合も、シンボル面からの拡散反射光を受光するように設計されている。拡散反射光の戻りは、光学フィルタ、レンズ、ミラーなどの光学系を通り、受光素子に到達する。拡散反射光は、アナログ的な変化をしているが、リーダ内部で復号するときはディジタル信号の方が便利なため、Analog to Digital (A / D)変換をする。MPU (Micro Processing Unit)に組み込まれたソフトウエアによって、シンボルに符号化されているデータの復号処理を行い、インタフェースを通して外部装置にデータを送信する。データの送信に合わせて、読取完了表示(LED、振動など)をする。

2Dシンボルの読取原理

●マルチローシンボル体系(PDF-417の場合)
一次元シンボル用リーダと同様の構造をもったバーコードリーダ(単一ラインレーザ、ラスタースキャンレーザ、リニアイメージャなど)で読むことができます。基本的には、全ての段をスキャンする必要があります。隣の段に跨るような斜めスキャンをしても読める場合があります(極端な斜めスキャンでは、読めません。)。
読取のメカニズムは、“バーコードリーダの基本読取原理”を参照してください。PDF-417シンボルの場合、バーコードリーダは、最初に、各スキャンラインごとの固定パターン(スタート、左右の行指示子、ストップ)を識別します。このとき、行指示子によって、何段目から何段目に渡ってスキャンしたのかが分かります。スキャンラインに沿った各データコード語を識別し、リーダ内部のメモリにコード語を格納します(行指示子によって格納番地が分かる。)。第一コード語(左上のコード語)には、データ長、コード語数などのデータが入っているので、メモリに格納されたデータの数が相当量溜まった時点で、復号を試みます。全部のコード語をスキャンしなくても、誤り訂正コード語を使って読める場合があります。

●マトリックスシンボル体系
基本的にカメラ式のバーコードリーダで読みます(高速のリニアCCD、リニアC-MOS、単一ラインレーザを用いて、シンボル画像を得るバーコードリーダもあります。⇒ 読取対象のバーコードシンボルが定速移動する必要があります。)。
読取のメカニズムは、“バーコードリーダの基本読取原理”を参照してください。マトリックスシンボルの場合、バーコードリーダは、最初に、撮像した画像の中から、各シンボルがもつ固有の固定パターンを探します(探すアルゴリズムは、シンボルによって異なります。)。固定パターンを解読すると、そのシンボルの構造が分かるようになっています。次に、固定パターンを基準にして、画像のゆがみを補正します。タイミングパターンなどから各モジュールの並びを整列し、データコード語、誤り訂正コード語などを識別します。各データが揃ったところで復号を試みます(復号アルゴリズムは、シンボル体系によって異なります。)。このとき、シンボルの汚れ、破損などによって復号できない場合は、誤り訂正コード語を用いて、可能な限り復号を試みます。誤り訂正コード語を使い切っても、まだ誤りがある場合は、復号できません。

バーコードリーダの種類

大分類 方 式 内 容
バーコード
リーダ
形態別 分離形 スキャナと復号器が分離しているタイプ
一体形 スキャナと復号器が一体化しているタイプ
スキャン方式別 ペン式 手を動かしてスキャンするもの
リニアCCD/C-MOS式 電子的にスキャンするもの
レーザ式 ミラーなどで機械的にスキャンするもの
使用形態別 手持ち式 手に持って操作するもの
定置式 POS用カウンタなどに組み込んで用いるもの
固定式 コンベアなどに固定して用いるもの
機能別 リーダ リーダ専用機
バーコードターミナル リーダモジュールを内蔵したハンディターミナル
シンボル別 一次元用 一次元シンボル用リーダ
二次元用 二次元シンボル用リーダ(一次元シンボルも読める)
読取範囲別 一軸用 点光源式リーダ(ペン式、スロットリーダなど)
二軸用 シングルライン式リーダ(レーザ、リニアCCDなど)
三軸用 ラスタスキャン、二次元シンボル用リーダ

2Dシンボルリーダの種類

●エリアCCD又はエリアC-MOSを用いたカメラ式
超小型のデジタルカメラによって、シンボル画像を得る方式です。撮像した画像に対して、場合によってはゆがみ補正、コントラスト補正、ノイズ除去、明暗の輪郭強調、明暗の輪郭ぼかしなどの処理を行います。これらの処理は、ソフトウエアによって計算処理されます。そのため、高速画像処理用の専用ICを搭載している場合もあります。

●シングルラインレーザ又はリニアCCD、リニアC-MOSを用いたカメラ式
ほぼ一定の速度で移動しているシンボルの場合、リニアカメラで画像を得ることができます。その後の処理は、デジタルカメラ式リーダと同じです。

分解能等の説明

●バーコードリーダの分解能については、“バーコードリーダの読取分解能”を参照してください。
●バーコードプリンタの分解能
バーコードプリンタの印字分解能は、サーマルプリントヘッドのドット数で決まるものではありません。バーコードを印字したときの印字品質が一定(印字品質総合グレードが1.5)以上のときに、どれだけ細いエレメント(又は、小さいモジュール)まで印字できるかによります。当然のことですが、用いる消耗品(インクリボン、受容紙)の組合せによっても変動しますので、いい値の分解能を求めるときは、ベストな消耗品の組合せをしなければなりません。ドットピーン式プリンタ、インクジェット式プリンタ、電子写真式プリンタ、商用印刷などでも同様の求め方を適用できます。

2Dシンボルの印字

二次元シンボルだからといって特別な注意は必要ありませんが、一般に、次のことがいえます。
●寸法が正確であること(シンボル全体に渡って、モジュール寸法が一定であること)
●バーコードリーダにとって十分なコントラストが得られるような色の組合せであること(バーコードリーダの照明光に注意が必要です。)
●バーコードシンボル中に、ボイド(void:暗部分の欠け)及びスポット(spot:明部分の小さな汚れ)が少ないこと
●規格に適合したクワイエットゾーンを確保していること

バーコードリーダの読取分解能

リーダの読取分解能は、どれだけ細いバー(又は暗モジュール)とスペース(又は明モジュール)とを識別できるかの尺度ですが、レーザスポット径又は受光素子の画素数だけでは決まりません。光学系では、“レンズの倍率及び分解能”、“ミラー及び光学フィルタの平坦性及びキズ/ブツ”などが影響します。電気的では、“ノイズを除去するためのフィルタ特性”、“A/D変換器のビット数及びサンプリング時間間隔”などが影響します。周囲環境では、“リーダが発する照明光の照度”、“外乱光の影響”、“シンボルの印字品質(特に、シンボルコントラスト)”などが影響します。
リーダの分解能を求める詳細な国際規格及びJISは、現状では存在していません。

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