導入事例
受入・棚卸システムの改善・樹脂素材開発、射出・成形業
イグス株式会社様
イグス様は1964年に設立され、ドイツ本社を含め世界70ヶ国にサービス網を展開しているグローバル企業です。樹脂素材の開発、金型・成形技術をベースに、世界中のお客様の機械性能・生産性の向上を目指しています。経験と実績に裏付けされた確かな技術で、Plastics for longer life®〈寿命を延ばしてコストを下げる〉 を目標に、イグス様は進化し続けています。 この度、イグス様日本法人 イグス株式会社様に導入頂いた『受入・棚卸システム』の導入経緯、効果などを代表取締役 北川 邦彦 様、経理・財務リーダー 荒井 由起子 様にお話をお聞きしました。
ヒューマンエラー三大原因は「目視」、「手書き」、「手入力」
【北川様 談】一昨年当社代表取締役に就任し、棚卸業務を見学した際、非常に人と時間を費やしている様子が伺えました。当社はドイツより製品を輸入しています。ドイツでは出荷等にバーコードを有効利用していますが、日本の受入では利用していません。理由は、ドイツと日本では業務用語等が異なるためで、貼付のバーコードデータをそのまま日本のシステムで運用することができなかったからです。 そこで、日本では独自用語でExcel等を使いERPへデータ入力をしていました。そのような運用では先にお話した棚卸業務はもちろん、他の業務でも様々な弊害が認識されていましたが、並行していたERPリプレイス検討に合わせてこれらもシステムにより改善したいと考えました。
といったヒューマンエラーです。これらを削減し、かつ入力フローの短縮を実現するには「情報入力のシステム化」が必要と判断しました。そこで、ドイツのバーコードが使えないのであれば、日本で受入時にバーコードと製品情報を発生させ、それを倉庫物流管理につなげていこうと考えました。
成功のポイントは運用に必要な最小限の「入力データ」と「仕様」
【北川様 談】受入時に必要なデータは「品番・品名・日付」ですが、その他付加情報もあります。まずバーコードメディアを一次元と二次元のどちらにするか迷いました。その前提として今回のシステムはアジア全域での展開も将来構想にあり、海外でも使われているコードを極力使い「共通コード化」する必要がありました。データ量を考えると二次元が適しているのですが、現状の二次元コード体系ではグローバルで共通なものが少なく、共通コード化を考慮し一次元バーコードでの運用が最適と判断。物流管理をする上で一次元で扱える「最小限のデータに集約」が一つのポイントでした。 もう一つは「システム仕様」です。当初は並行しているERP検討と合わせて考えていたこともありボリュームが非常に大きいものになっていました。しかし、本当に必要な機能は何かと再検討を行うことで適正規模の仕様にFIXし、効果を出せるシステムになったと考えています。 機器採用について、当初複数他社からもお話を伺っていました。ウェルキャットさんより魅力的なプライス提示をしていただいたところもありましたが、担当営業の熱心さに加え「何ができて、できないか」を具体的にディスカッションできたその技術力や営業力、いわゆる「製品+αの付加価値」でウェルキャット製品の採用を決めました。
導入準備(バーコードラベルの貼付)は大変
【荒井様 談】ドイツで貼付されてくるバーコードが使えないことは既にお話しました。それ以外にも何も貼られていないものもありました。そのため、導入時にすべての在庫品にバーコードラベルを貼付する必要があり、これは大変でした。
導入時の現場の抵抗は当然、使って初めてわかるいいシステム
【北川様 談】はじめは相当抵抗があったようです。
【荒井様 談】一時的な抵抗はありましたが、操作感はほとんど携帯電話と同じということもありすぐに慣れました。まず、それ(ハンディ)を持って作業をする事自体に抵抗があったのは事実です。
【北川様 談】前会社でもシステム導入に携わっておりましたが、どんなにいいシステム・機器でも抵抗はあるものです。でも、やってみて効果を体感すればすんなり受入られるものだと思います。
当初の目標は達成、それ以上の効果も
【北川様 談】導入前は46人で4日間掛かっていた棚卸作業が、人数は8人減、日数は2日減という効果が出ています。時間の短縮については満足する十分な効果を実感しています。
【荒井様 談】その他、以前は現状の運用が当たり前と思っていた作業者からもシステム導入をきっかけに「他にもこんなことができるんじゃないか」といった積極的な声が上がるようになりました。
【担当営業談】工場内は騒音があり、以前だと読み上げチェックのために大声を出さないと聞こえないため、作業終了後は喉が痛くなるといったこともシステム導入後はそれがなくなったという話も(笑)。
今回のシステム導入は今後のシステム展開の「土壌」づくり
【北川様 談】今回のシステムはあくまで当社物流システムの取っ掛りです。言い換えれば、今後システムを展開する上での“土壌”ができたということです。今後の課題は、取得したデータの有効活用です。様々な他の業務にどう適用し、他にどんな用途で使えるか、など検討することはたくさんあります。
目標は、全製品受注から24時間以内の出荷体制を実現すること
【北川様 談】当社は現在、ある程度の製品については受注から当日あるいは遅くとも24時間以内の出荷を実現しています。それを今後は全製品で実現していきたいと考えております。そのため、現在ある6万点の在庫をそれ以上持たなければなりません。それを管理できるシステムの構築を行い更なるサービス向上に努めて参ります。
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