インダストリー4.0と画像認識技術

インダストリー4.0とAI及び画像認識技術

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    インダストリー4.0という言葉が登場してからだいぶ時間が経ちましたが、製造業におけるDXでもあるようにデジタルを活用した製造業の将来のビジョンであることには変わりありません。インダストリー4.0と従来の生産方式との最も大きな違いは、プロダクトライフサイクルに関係する設計データから生産に関わる生産設備や部品、生産品、或いは廃棄に至る全てが相互にデータ通信をして自立型の生産を行うという点にあり、この範囲はバリューチェーン全体に及びます。
     
    そしてこれらのデータを元にサプライチェーンを最適化し、ムダを無くして素早いプロダクトライフサイクルの回転が実現すると言われています。
     

    このインダストリー4.0では画像認識技術が特に重要な役割を担います。その理由は画像認識技術が各生産工程の状況を客観的にデータ化できるからです。この客観視なデータにより正確な分析や意思決定ができるようになります。もし個々の生産プロセスの状況把握が客観的なものでなく主観的でバイアスの影響を受けたものであるとしたら、インダストリー4.0やデジタルスレッドは正に砂上の楼閣になってしまいます。この理由で画像認識技術は重要なのです。
     

    一方で産業分野で画像処理技術を上手く活用するためには画像認識システムが持つ性能はもちろんのこと、専門的な知識を組み合わせ目的と目標に合致した精度と稼働性、データ処理速度を担保する事が大切です。

  • ルールベースか?AIか?

    画像認識システムを導入する際に選択肢となるのがAIとルールベース方式です。

     

    ルールベース型の画像認識システムでは、設定者が要求された認識精度を達成するためにパラメータを調整し、処理手順のプログラムを作成します。作成されたパラメータとプログラムは他のシステムと共有することが容易にできます。また状況に応じてパラメーターの調整やプログラムの拡張もできます。決定されたパラメーターとプログラムによって画像認識システムは高速でかつ一貫した精度で理論上無限に処理を実行します。

     

    このルールベース型の画像認識システムが安定稼働するための条件として撮像する画像に未知の事象がないこと、環境条件 (光のあたり方)が安定していることと、画像認識した結果を閾値をもってシステムが明確に判断できることです。

     

    一方で周辺環境の条件が変化する場合や、パラメータを決定するときに未知の事象を考慮する必要があるケースはルールベースでは限界があります。なぜならルールベースでは各事象を事前に明確にして、それらへの対応方法を定義する必要があるためです。もし可能性をほぼ全て加味すると事象の量が膨大になりパラメーターの設定が困難になるばかりでなく、コンピュータの処理速度も遅くなってしますからです。このような場合にはAIの活用が有効です。AIによる画像認識が特に効果な例では、位置や状態が時々で変化する微妙なキズや色ムラを把握するようなタイプの検出外観検査です。

     

     

    AIの進化とキーワードの人気からAIが万能のように感じられますが実際はそうではありません。例えば、生産時の検査基準や確認項目が明確な基準をもって運用されているような場合(多くはこのケースに該当すると思います)は、ルールベース型の画像認識システムが現実的な選択肢です。なぜなら導入までのゴールへの道筋が明確でかつ目標を達成するまでにかかるコストが低い場合が多いからです。

  • 画像認識で手作業の組立てや検査工程のデジタルシャドウ(Digital Shadow)を実現するスマートクラウスというシステムがあります。これまで難しかった人間がマニュアル作業で行う作業工程を画像認識で客観化し支援するシステムです。

     

    ※デジタルシャドウ(Digital Shadow)・・・アナログの状況をデジタル化することで、デジタルツイン(Digital Twin)、デジタルモデル(Digital Model)と共にデジタルスレッド(Digital Thread)を実現するための構成要素です。

     

    スマートクラウスで作業現場のデジタル化を更に次の次元に向けて進める事が出来ます。スマートクラウスの仕組みと導入事例については下記をご覧ください。