人手不足と画像認識技術
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人材不足の状況
2022年度ものづくり白書(経済産業省、厚生労働省、文部科学省)では製造業の概況として、今年度に入って一部減少があったものの、足元では営業利益及び設備投資額は回復にあり、この傾向が今後3年は続く見通しとされています。
一方で、半導体不足、原材料価格の高騰、人材不足が問題として挙げられています。そしてここでは人材不足に焦点を合わせて考えてみます。人材不足の問題として、指導する人材が不足していると回答した企業が6割以上あり、育成の時間がない、育成しても辞めてしまうといった意見がこれに続いています。指導人材の不足に対しては、約6割の企業で技能継承のために退職者の雇用延長、嘱託による再雇用で対応しているという状況です。
これに関連するように計画的なOJTやOFF-JTを実施している事業所の割合は30%から20%に低下しており、いずれにしても技能継承や人材育成への対策が後回しになっているという現状が見えてきます。
需要量が変化すると”ヒト”と”モノ”の調整が必要ですが、原料や部品等の”モノ”に比べて”ヒト”の調整はより困難です。仮に臨時スタッフや新規スタッフを採用できたとしても直ぐに熟練者と同じクオリティーを求められないため、生産性ダウンやトレーニングコストが発生します。また先行きの需要減の心配からトレーニングの実施に積極的になれないのは先ほどの白書の通りです。
そのため需要の変化に素早く対応できずに機会ロスしたり、最悪のケースでは計画した生産ができなくなり、受注を断らざるを得ないケースも考えられます。需要変動以外にも予期せぬ退職や欠員の心配もあります。これらの需要量と”ヒト”のバランスが取れてない状況が続くと今いる作業スタッフの負荷が増えるためスタッフのストレスが増え生産品質は反比例で低下します。
ロボットや機械を活用して”ヒト”の要素をなくす方法がありますがこれには諸々の条件がそろわないと採算が合わないため、現時点では一部企業の一部でのみの実現で、産業全体という視点ではまだ難しい状況です。そもそもヒトを排除するという考え自体が正しくないのではないか?という意見すらあります。
このため”ヒト”の可能性をいかに引き出すかが”人手不足”問題を解決する鍵になります。
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画僧認識によるデジタルの作業支援システムとは何か?
”ヒト”の可能性を引き出すためのシステムとしてスマートクラウスという製品があります。このシステムはセル生産をはじめ検査や検品などの手作業・マニュアル工程を画像認識でサポートします。これがどのように作業スタップをサポートするのかについてご紹介します。
仕組みはシンプルで先ずスマートクラウスはデジタル化された作業指示や手順を画面に表示します。作業スタッフはこの内容を元に作業を行います。個々の作業はカメラを通してスマートクラウスが正誤を確認をします。もし作業に間違いがあればスマートクラウスは直ちに作業スタッフに誤作業を指摘し工程を停止します。誤作業が作業スタッフによって是正されるとスマートクラウスは次の作業を画面に表示し工程を再開します。
これは正に”作業スタッフの隣にトレーナー”がいて、作業スタッフに”作業の進め方を説明”し、”作業結果を確認しフィードバック”している状態になります。
作業スタッフにとってはトレーナーが横に居る状態になるので、安心して作業を進めることができます。そして生産品はスマートクラウスによって全部がチェックされるため高品質を維持します。同時に作業記録も収集されます。
これにより、臨時や新人のスタッフにスマートクラウスのサポートのもと作業を任せることができます。当然トレーニングにかかる時間は最小になり、”ヒト”を弾力的に活用できるようになるという訳です。
作業スタッフは負荷やストレスを感じることがなくなるため、離職率が低減し就労環境は向上します。
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デジタルのトレーナーであるスマートクラウスの実態とは?
スマートクラウスの中身は管理者や熟練作業スタッフ、品質管理者の方々です。そしてこれまで蓄積されてきたノウハウをデジタル化したものなのです。どのように作業を進めるべきか? どこをチェックすべきか? こういった普段チェックしたい箇所やノウハウをデジタル化したものなのです。
スマートクラウスはこのデジタル化されたノウハウを元に作業スタッフを支援するので、つまりスマートクラウスは皆さま管理者や熟練作業スタッフ、品質管理者の方々の分身と言えます。
トレーナーであるスマートクラウスはデジタルなのでコピーはもちろんの事、変更や修正といったメンテナンスを即座に容易に行えますし、場所と時間を問わず世界中で24時間作業スタッフをサポートすることが出来ます。
いかがでしょうか?これが”ヒト”の可能性を引き出して人手不足に対応するための具体的な例です。スマートクラウスについては下記のリンクより是非ご覧ください。