ブログ デザインで人手不足問題に対応する?
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アプリケーションデザインの変化
ユニバーサルデザインからの進化
人気があったり使いやすいアプリケーションソフトは大抵ユーザーインターフェース(UI)が良くデザインされています。UIが悪いといかに有能なアプリケーションであってもユーザーの支持を得ることができません。ではどのようなUIにすべきか?これはハードウェアの進化や時代の要求に応じて変化を続けているため常に良いUIとはなにか?という探求心を持ち続けることが必要になります。
以前よりユニバーサルデザインという考え方があり、”多くの人が便利に使えるデザインを目指す”というコンセプトです。しかしこのユニバーサルデザインには弱点があり、特長が削がれた誰にとっても中途半端なデザインになってしまいがちで、かえって多くの人にとって満足できるデザインではないという点です。
例えばMサイズ位のシャツをフリーサイズと称してユニバーサルデザインだとした場合、SサイズやLサイズが丁度良い方にとっては不満足なものになるからです。
このユニバーサルデザインはワンサイズ・フィット・オール(one size-fit-all)と呼ばれ、一つのデザインで全ての人の要求に対応しようとするコンセプトです。
ユニバーサルデザインの課題を解決するための考え方が、ユーザー要求を起点にしてデザインするインクルーシブデザイン(Inclusive design)です。
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”ひとり”を起点に考えるインクルーシブデザイン (Inclusive design) とUX(User experience)
”ひとり”の要望を起点にデザインをする
ユニバーサルデザインの弱点を克服するためのコンセプトとしてインクルーシブデザイン(Inclusive design)という考え方があります。これはたとえ少数であってもその”ひと”が持つ課題を解決するデザインを追求するもので、更には”ひとり”に対する良いデザインは全体に波及する(Solve for one, extend to many)という考えです。
”ひとり”のためのデザインであるため一見経済効率が悪そうにも見えますが実際はそうではありません。
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カーブカットエフェクト(Curb cut effect)
インクルーシブデザインの有名な例でカーブカットエフェクト(Curb cut effect)というものがあります。1972年までアメリカの都市の歩道には今のように車道と歩道を行き来するためのスロープの箇所がなく、車椅子を利用する人にとって歩道は非常に利用しずらく危険なものでさえありました。この課題に対し当時の人々が努力し今のように歩道の縁石の一部を切ってスロープを設ける法律を制定し、その後は車椅子の人でも一人で歩道と車道の行き来ができるようになりました。
このスロープは当初は車椅子を利用する人のためでしたが、今ではベビーカーや荷物の運搬で台車を利用する人など多くの人が実はその恩恵を受けています。スマートデバイスの例では、テキスト読み上げ機能や音声入力機能、字幕表示機能などがこれにあたります。
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UX(ユーザーエクスペリエンス)への進化
ユーザーを中心に考えるデザインはユーザーが製品を使う時の体験を重視するUX(ユーザーエクスペリエンス)へと繋がっています。UXとは”誰もが、簡単に、楽しんで使えて、役に立つデザイン”を目指す考え方で、UXの普及にはスマートデバイスの発明も一つの大きなきっかけになっています。
スマートデバイスはインターフェースのデザインや機能をユーザーや状況に応じて自由に変えることができるためです。これによって言語や身体上に違いがあっても同じレベルのUXを提供できるのです。
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人手不足を解決しビジネスを成功に導く
”誰もが、簡単に、楽しんで使えて、役に立つデザイン”
”誰もが、簡単に使える”は多様な人々の参加を可能にします。例えば、言語の問題である仕事に従事出来なかった人が、”誰もが、簡単に使える”デザインによってその仕事への従事が可能になります。この視点を拡げるとこれまでよりも広い範囲の人材を対象とすることができるようになります。これは正に人手不足の一つの解決策です。
”楽しんで使えて”は”気持ちよく”や”特別な感覚”などの言葉でも表現できますが、やはり不可欠なポイントで、例えば製品を作ってを販売しようとした時に、”楽しんで使えて”の要素が欠けてしまうと、共感が得られず当然ファンも増えないためビジネス面で苦戦することになります。ブランドバリューを重視する企業は特にこの部分に注意を払っていますよね。
なんらか”役に立つデザイン”であるべき事は言うまでもありません。
このようにUXは表面的なデザインのことではなく、このUXを可能にするテクノロジーも含めた全体を指す考え方で、UXの実現はビジネスだけでなく社会的にも大きな意味があります。
そしてUXの実現で多くの人の参加と人への快適で効率的なサポートが可能になります。人手不足への対策としてロボット化や人に頼らないことも一つの方法ですが、人を上手にサポートするという考えもまた一つの方法です。そして人を上手にサポートするためにはUXが重要になってきます。
私たちIDEC AUTO-ID SOLUTIONSは人を上手にサポートするシステムを提案してゆきます。最後までお読み頂きありがとうございました。